コートを着たカンガルー

 1970年頃にオーストラリアのノーザン・テリトリーをドライブしていた男が大きなカンガルーをはねてしまった。てっきり死なせてしまったと思いこんだ男は、カンガルーにコートを着せると1本の木にもたれさせて写真を撮ろうとした。いったい何を考えていたのか!

 しかし気を失っていただけのカンガルーは、シャッターが押された音で気が付き、男のコートを着たまま逃げてしまった。ポケットには650ポンドの小切手が入っていた。数週間後、エレガントなコートを羽織ったカンガルーが周辺で目撃されたが、彼が小切手を取り戻したかどうかは定かでない(Wood, 1977)。

 カンガルーのアルビノ(白変個体)はめったにいない。野生では目立つので生き残りが難しいのだろう。またカンガルーは普通1頭の子しか育てない。袋が2頭入るには小さいからだ。確かに窮屈そう(リーダーズダイジェスト)。



※ タジデビさんから、タスマニアでは白いワラビーは珍しくないことを知らせていただきました。南岸のブルーニー島に行けば、必ずと言っていいくらいに出会えるそうです。民家の庭に出没することも。
 アカクビヤブワラビー Bennett's Wallaby の白変型(アルビノ)で、島だから多様性があまりなくアルビノが遺伝しやすかったこと、特に天敵という天敵もおらず、白く目立っても生き延びる事ができたということです。

ライオンと檻の中で5週間−ウクライナ

 ウクライナの小さな町 Vasylivka(ワシリフカ)の私設動物園の飼育係(オーナー)が2日、増設費用を捻出するため、2頭のライオンと檻の中で5週間、一緒に暮らし始めた。
 アレクサンダー・ピリシェンコさんは8月2日、雌雄2頭のライオンの檻に入った。5週間、雌ライオンの出産を助けるという。このデモンストレーションは、ウクライナ国内にある私設動物園で飼われているライオンたちの過酷な環境を知ってほしいという狙いと、自身が運営するこの動物園を拡張する資金を稼ぐためだという。 そのためライオンと暮らす中でライオンの絵を描き、それを売って園に新設する建物の費用に充てる。
 シャワーやトイレを使う際は外に出るが、眠るのは檻の中だという(時事ドットコム)。
 雌ライオンのカトヤは現在妊娠5週目で(ライオンの妊娠期間は約3ヶ月半)、通常よりもピリピリしているそうだが、フィレシェンコさんは、もともとライオンの生態を研究している動物学者なので、心配にはおよばないとのこと。この奇妙な共同生活は YOUTUBE を通して配信していく予定なのだそうだ(カラパイア)。

3mもある巨大アナゴ−イギリスで

 2009年10月、イギリスで長さ3m、体重45kgもあるアナゴが水揚げされた。普通のアナゴは、90cm、5kgくらいだ。この怪物はデボンの Dean Corbett によって釣り上げられ、50ポンドで売却されたという。これを買い取った魚屋の Matt はこんな大きなアナゴは見たことがない(彼がそれまでに目にした最大は2.4m)と言っている。また彼はできれば解体せず、丸ごと買い取ってくれる客を捜している。
 50ポンド(約7400円)は安くないかと思うのだが、そして Matt はアナゴは美味だというのだが、イギリスの食卓では人気がないそうだ。確かに見てくれはあまりよくないが。
 イギリスで捕獲された最大のアナゴは体重が95kgもあった。さらに世界記録となるとアイスランドで139kgもあるものが獲れている(DailyMail)。
※ manabeさんから知らせて頂きました。

こちらは3mもあるゴカイ

 2009年1月16日、南紀白浜で3mもある巨大なゴカイ(オニイソベ)が見つかっている。瀬戸漁港に浮かべられて解体されていたいかだのウキに付着していたという(紀伊民放
※ わたぴーさんから知らせて頂きました。

特大のオヒョウが水揚げされる

 2009年6月4日、長さ2.1m、体重165kgもある特大のオヒョウが網走港で水揚げされた。網走漁協所属の沖合底引き網漁船、第8昇陽丸(160t)が網走・能取岬の北約40km沖の北見大和堆で捕獲した。5日朝の網走地方卸売市場のせりで、1kg500円で競り落とされ、斜里町ウトロのホテルに売られた(北海道新聞)。
※ tokuhonさんから知らせていただきました。

 タイヘイヨウオヒョウはカレイ科の巨大な魚で北太平洋に棲んでいる。おもにニシンやタラを捕食する。最も漁獲量が多いのは北アメリカの太平洋沿海である。生後10年で成熟し、雌は35歳くらいで210kgに達するが、雄は25歳でやっと18kgに達するにすぎない。日本では東北以北で捕獲されるが2m級の大物はきわめて珍しい。2002年4月10日にも青森県八戸市の沖合で長さ2.4m、体重170kgもあるオヒョウがトロール網にかかり札幌市の中央卸売市場に持ち込まれ、 約12万円で競り落とされた。
 北大西洋の両岸に分布する種類 Halibut では、40歳で300kgに達するといわれる。それでも通常漁獲されるのは11−14kg程度にすぎない。2008年5月には、ノルウェーで長さ246cm、体重197kgもあるものが並々ならぬ奮闘(titanic struggle)の後に釣り上げられている(Telegraph)。

縁起物? 黄金のオニオコゼ

 全身が黄金色のオニオコゼが2009年1月5日、志摩マリンランドに入館した。
 「背ビレに毒とげを持つオニオコゼは、通常は黒褐色の体色のものが一般的。赤褐色、黄褐色、灰褐色など個体による体色変異も比較的多い魚だが、今回捕れたものほど黄色い体色の個体は初めて」と同水族館大久保修三館長。
 入館したオニオコゼは同4日、南伊勢町田曽浦沖約1kmの熊野灘水深20mの地点に仕掛けたハギ篭漁のカゴの中に入ったもので、全長273mm、体重290g。本州中部以南〜南シナ海に分布し、内湾から水深200mまでの砂泥底に生息する。一般的にオコゼと呼ばれ白身の高級魚として食用される(伊勢志摩経済新聞)。
※ わたぴーさんから知らせていただきました。

ヒグマのイナバウアー?

 兵庫県の姫路セントラルパークで、1頭のヒグマが客から餌をもらう際、ふんぞり返って万歳するしぐさを見せ、人気を集めている。
 今年(2008年11月)17歳になる雌のヒグマ「クニコ」で、体長2m、体重約200kg。北海道のクマ牧場から2年前、同パークに移ってきた。ほかのヒグマ9頭とともに、ウオーキングサファリの「ベアバレー」で暮らしている。
 日中、クマたちは、約5m上の通路から、客が投げ入れる餌をもらおうと脚を上げたり、立ち上がったりして客にアピール。そんな中クニコは、客に背を向けて、両前脚を高々と挙げ、巨体をのけぞらせる。派手なパフォーマンスは客に大人気だという。園長は「これだけ迫力ある万歳はおそらく日本一だろう」と話している(神戸新聞)。


ホッキョクグマとハスキー犬の交流(チャーチル) ※ KAN きちさんから知らせていただきました。

ホッキョクグマ・ウォッチング

 カナダ・ハドソン湾西岸のチャーチルには、10月から11月にかけて(bear season と呼ばれる)多数のホッキョクグマがやってくる。
 ここではクマは人工的環境に馴染んでいるようで、人家近くにまで出没する
 この時期にあわせてベア・ウォッチングとでもいうべき観光ツァーもおこなわれている。およそ10000人の観光客がツンドラ走行車からホッキョクグマを観察できる。
 地球温暖化の影響はここでも顕著になっている。過去10年の間に、ここを訪れるクマの数は1140頭から950頭に減少した。また小型化しているようで、雌の平均体重も264kgから190kgにまで落ちているという。

素手で野生ヒョウを押さえ込み!

 イスラエル南部で、自宅の窓から夜中に突然入ってきた野生のヒョウと住民の男性が格闘の末、ヒョウの押さえ込みに成功した。AP通信などが2007年5月30日までに報じている。
 彼は49歳の自然観察ツアーのガイド。今月下旬、家族が就寝中、ベッドに飛び掛かってきたヒョウを救出隊員が来るまでの約20分間、取り押さえていた。
 自然保護区の当局者によると、近くで数頭のヒョウが見つかっているが、人間に危害を加えることはほとんどないという。人家の近くに出てくるヒョウは、老いて餌が捕れなくなり、ペットの犬や猫を狙うことが多いと指摘している。
 男性はヒョウは弱っていた。動物の扱いには慣れているから、傷付けることなく押さえ込むことができたと話した。(徳島新聞)
※ わたぴーさんから知らせていただきました。

 当のアーサー・ドゥモシュさんは「何も考えずに行動したので、自分がなぜこんなことをしたのかわからない。仮にヒョウが衰弱していなかった場合、取り押さえることは不可能だった」と語っている。冷静さと勇気に感服。ヒョウは野生に戻されるという(CNN)。
※ ac7059さんから知らせていただきました。

獣医師の検査を受ける捕獲されたヒョウ

ツートンカラーのロブスター

 2007年6月、アメリカから届いた珍しい映像。高級食材として人気のロブスターに、こんな異変が起きた。からだの真ん中を境に、見事に半分ずつ色が分かれたロブスター。もちろん半分だけ茹でたわけでも、着色したわけでもない。
 この珍しいロブスターはアメリカのロードアイランド州で捕獲されたもので、裏を返しても、半分ずつ色が分かれている。こうした突然変異が起きるのは5000万分の1の確率だということで、食卓には並ばずに、水族館に持ち込まれることになった(TBS)。
※ わたぴーさんから知らせていただきました。

世界最大のロブスター

 イギリスのドーバー海岸でおこなわれた競技会で、16歳の Louie Smith が5kgのロブスター(European Lobster)を釣り上げた。専門家によればこのロブスターは少なくとも50歳にはなっているという。
 Kent and Essex Sea Fisheries 委員会のJos Wigginsは「例外的な大物」だという。もっとも Louie は競技会で1位には選ばれなかった。甲殻類は対象になっていなかったからだ (BBC)。
 ちなみにロブスターの最大記録は、1977年2月にカナダのノバスコシアで捕獲された American Lobster で体重20kg、爪の先端から尾の先までの長さ107cmもあった(Guinness World Records)。
※ sayoko さんから知らせていただきました。
 ボストンの科学博物館には Mike と Ike と名付けられた2匹の大きなロブスターの標本がある。どちらも1934年に Wheeler がバージニアで捕らえたものでそれぞれ19kgと18kgもある。また1939年の夏には、ニュージャージーで21kg、マサチューセッツで22kgの記録があるのだがこれらは未確認とされている。



9kg、140歳 !? といわれるロブスター(ロイター
 特に大きなロブスターになると、その鋏の威力は人の手を紙パルプのように潰してしまうといわれる。イギリスのヨークシャーで、あるスキン・ダイバーが沈没船から非常に大きなロブスターを引っ張り出そうとした時、シュノーケルの真鍮管をロブスターの鋏で真っ二つに切断されてしまった。
 1952年7月、Roger Magnieu はパリのあるレストランに入り、ロブスター・ランチを注文した。フランスでは料理する前にロブスターを籠ごと客に吟味させる習慣があるとのことだが、この時 Magnieu は「新鮮でない!」と不満を漏らした。
 何を思ったかレストランの従業員は籠から1匹を掴み出すと客の眼前に「嗅いでみてくれ」と突き出した。Magnieru がそうするより速くロブスターの鋏が彼の鼻を掴んでしまった。ロブスターを引き離すのにゆうに5分はかかり、気の毒なフランス紳士は鼻を失う羽目になった (Gerald L. Wood, 1972)。

 2009年1月、ニューヨーク市内のレストランでマスコットとして人気となっていた推定140歳とみられるロブスターが、海に戻されることになった。レストラン「シティー・クラブ・アンド・シーフード」を経営するキース・バレンティ氏によると、このロブスターは2週間前にカナダ沿岸で捕獲され、その後同レストランが100ドル(約9100円)で購入した。子どもたちと一緒に写真を撮影するサービスを始めたところ、人気を呼んだという。
 同氏は、ロブスターの年齢は体重から計算できるとしており、それによると、体重9kgのこのロブスターは約140歳と推定される。動物愛護団体は、ロブスターを海に戻すことに快く同意した同レストランの判断を歓迎する、と話している(ロイター)。※ ac7059さんから知らせていただきました。

ヒョウがヒヒの子の面倒を見る?

 雌のヒョウが自分が殺したヒヒの子をまるで我が子のように。肉食獣の雌には稀にあることらしいが


カバがシマウマを襲う!

 2007年1月20日、大きな雄のカバがシマウマを襲って殺し、それを食べるというショッキングな事件が起こった。
 これを撮影した BBC のカメラマンを案内していたケニヤの野生動物ガイド、David Breed はカバがシマウマを襲った話は聞いたことはあるが、見たことはないと語った。彼はまた20年前にカバが川を渡っていたヌー(ウシカモシカ)を襲うところを5回、見たことがあるという(SUN)。
※ 風来坊さんから知らせて頂きました。

 1996年7月にも、アフリカ南部のジンバブエでカバがハイエナの群に追われて池に飛び込んできたオオカモシカを殺し、それを食べる事件があった。

クジラに救われた少年…ベトナムで奇跡

クザヴィエ・ロワ「クジラと泳いだ子どもたち」より
 クジラが「聖なる魚」と崇拝されるベトナム沿岸部で、船の転覆事故に遭った少年が「クジラに救われた」と告白、地元紙が報道する騒ぎになった。中部ダナンに近い、クアンガイ省の漁村出身、ド・バン・タン君(16)で、おぼれる寸前にクジラの背に押し上げられ助かったと言う。
 タン君によると、炊事係の彼を含め8人を乗せた漁船は、2006年5月12日、南シナ海の西沙(パラセル)諸島沖に向け出港。嵐に遭い、17日朝に高波にのみ込まれ転覆、全員が海に投げ込まれた。
 乗組員は次々と彼の視界から消え去り、残っていた男性船員(32)も数時間後「サメに足をかまれた!」と叫んで、海に沈んでいった。タン君も死を覚悟し「神に祈った」その数分後、奇跡が起きた。目の前に大きなクジラが出現。彼の体を海面から浮かび上がらせるように背中で持ち上げたという。
 「必死になって背びれにしがみついた」タン君は、丸2日後の19日朝に救出された。海に漂っている彼を発見した捜索船の船長は、クジラの姿は見なかったが、「タン君が海水をほとんど飲んでいなかった」点から、クジラによる救命と断定。「クジラ信仰」が厚いこの地域では、おぼれた乗組員を救ったクジラ伝説は数知れない。
 信憑性に否定的な専門家もいる一方、神奈川・藤沢市の新江ノ島水族館では「ごくまれにだが、考えられるケース」。クジラには自分の子供を呼吸させるため、水面に押し上げる習性があり、この本能に従った可能性も。また、好奇心が旺盛な子クジラが、自分より小さいタン君を押し上げて遊んだ可能性もあるという(スポーツ報知)。

※ Yamada さんから知らせていただきました。

海への適応
 イリエワニは西はアラビア海のラカディブ諸島から東は南太平洋のフィジーまで分布する。北ではフィリピンやパラオ諸島にもいるが、台風に流されて南西諸島や八丈島に漂着したことがある。
 スマトラ島から1000kmも離れた Cocos-Keeling 諸島にも現れることがあり、泳いで渡ったものと考えられる(Penny, 1991)。
 イリエワニは他のワニと比べて海の生活に特化した点はない。しかし大型のワニの割にはその鱗 Body Armor はいくらか軽構造になっているという(Minton, 1973)。

ワニに助けられた…スマトラ大津波

 2004年暮、スマトラ沖で発生した大地震はインド洋沿岸の各地に大きな津波被害をもたらした。ベンガル湾のニコバル諸島やアンダマン諸島では村を押し流してしまったが、人々はその後、新たな脅威にさらされている。
 孤立してしまった人々は救援を受けられる所まで歩いている間も、犠牲者の死体に引き寄せられた多数のワニと向き合わねばならなかった
 さらに救援物資を積載した船に辿り着く間でさえもワニが近寄ってきた。海軍将校の拳銃が彼らを守ってくれたという。(CBS news)

 スリランカでは津波の際、なんとワニに救われた人がいたと ANANOVA が伝えている。
 Matara に住んでいた Upali Gunasekera によると彼の家の庭にはイリエワニがよくやってきたという。そして彼が庭にいる時に津波が襲ってきた。彼は浮いていた椅子につかまって何とか水面に漂っていたが、次の波にそれらもさらわれてしまった。今度は流木につかまった。しかしほどなくしてそれが木ではなく、ワニであることに気づく。
 水の中に7時間もいて絶望にとらわれそうになっていた時、ワニが彼の小腹を小突いた。そして彼を押してくれたので、川岸までたどり着けたというのだが。7時間も彼はワニと一緒だったのか?
※ このニュースはワニヲタさんから知らせていただきました。


 極東ロシアの保護区で Roma と名付けられた子トラ(生後7ヶ月)が生け捕られた。人を襲ったからである。しばらくしてこのトラは数百キロメートル離れた地域に放された。4ヶ月後、森林内をさまよっているところを目撃された時、トラは痩せ細って飢えていた。
 それから一月近くたって今度は海岸の岩場にいた。トラは7頭のアザラシを殺して食べていた。空腹で弱っていたトラはアザラシが捕らえやすい獲物だということを身をもって覚えたのだった。
 サイベリアン・タイガー・プロジェクトの John Goodrich は「アザラシが通常の獲物ではないということを教えてくれる母のいなかったトラは、アザラシが豊かな脂肪を蓄えていることを自ら学習したのだ。それからさらに2、3ヶ月が経過した早春、Roma は肉付きが良くなり健康そのものに見えた」と語った(Valmik Thapar, 2004)。

 2005年4月、中国東部・山西省の動物園では2頭の子トラに、カートを引くトレーニングをおこなっている(planetark)。

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