ライオンは現在はサハラ以南のアフリカとインド(一部)に分布している。サバンナや疎林(ブッシュ)に、普通5〜20頭の群で棲み、シマウマやレイヨウ、イノシシ、スイギュウなどを捕食している。
東アフリカ産の雄で体長(頭胴長)1.8m、尾長90cmくらい。体重180kg前後である(南部アフリカ産はやや大きい)。アメリカのハンター、S. E. White(1912)がケニヤで撃った大きな雄は、全長302cm、肩高114cmもあった。体重は600ポンド(272kg)を僅かに切っていた。1993年、狩猟監視員がケニヤ山麓で撃った雄は体重がちょうど600ポンドあったという(Nowell and Jackson,1996)。
←今までに飼育された最大のライオンは1958〜1973年の間、イギリスの動物園に飼われていた Simba で13歳の時に375kgにもなった。全長320cm、肩高112cm、胴囲211cmあった。
飼主のトレイナー、Adrian Nyoka によれば3歳までは普通の大きさだったという。それが4歳半のときには体重500ポンド(227kg)、並のライオンをしのぐ大きさに達した。
ダイエットは行われていたがそのメニューは毎日9kgの肉と1ガロンのミルクだった(通常のライオンは肉を5kgほど)(Guinness World Record)。
アメリカのサーカスに飼われていた Louis the Great(偉大なるルイス)という名のライオンは死んだ時に800ポンド(363kg)あったが、このライオンは明らかに太り過ぎでサーカスでも顔見せだけで特に芸はしなかったらしい(Wood, 1972)。
1973年2月、Ali という名の非常に太ったライオンがイギリス・デボン州のチャールス・メイソンなる人に飼われていることがわかった。体重はどうやら推定のようだが900ポンド(408kg)もあったという。
1966年1月、南アフリカはナタールのインペリアルホテルに1000ポンド(454kg)もある、たてがみのない巨大な雄ライオンが飼われているとの報告が寄せられた。しかし詳しいことはわかっていない。
現在飼われているライオンで最も大きいのはカナダ、ノバスコシアの Oaklawn Farm Zoo にいる Ruteledge という名の雄で、体重366kgもある。肩高108cm、胴回りは178cm(ギネスブック2004)。
野生のライオンの体重を計量することはかなり難しい。インドの大侯がトラ狩をする時のように多くの供やゾウまで繰り出すのならともかく、民間人のハンターが体重計を持参するのは結構な荷物のようである。
たてがみのない大きな雄、Rhino。International Exotic Feline Sanctuary で17年間飼育されていたが2004年に死亡した。体重800ポンド(約360kg)もあったといわれる。(↓)※ Jyuuza さんから知らせて頂きました。
1936年、ハンターの Lennox Anderson は南アフリカのトランスバールで体重313kgもある人食いライオンを退治した。この時は鉄道に設けられた秤が使用されている。そしてこの数字は受理される前に何人かによって確認された。
アメリカの探検家、MartinJ ohnson はかつて750ポンド(341kg)を超えるライオンを撃ちとめたといっている。本当だろうか?
古い話になるがモグール帝国の Jehangir 皇帝は1620年ごろ、インド西部のラヒマバード周辺で馬に乗って狩を行い槍で巨大なライオンを仕留めた。その体重308kg、全長は312cmだった。ジャハンゲールが宮廷の画家に描かせた絵画が今も残っていて、ゾウやウマにまたがった狩猟家と1頭のたてがみのないライオンが描かれているそうである。
フィラデルフィアの Victor Zeni は2004年2月に全長320cm、体重295kgもあるライオンを撃っている。頭骨は長さ406mm(幅276mm)。
フランスの探検家、Edouard Foa(1899)は1896年にザンベジで全長357cmもあるライオンをしとめている。ただし背曲線に沿って測定しているようなので少々(5%?)割引かねばならない(正しくは吻端から尾端までを直線で測る)。頭骨全長は432mm(After Big Game in Central Africa)。
頭骨全長(mm) | 最大幅(mm) | 場 所 | ハンター |
---|---|---|---|
464 | 267 | トランスバール(1968年) | I. Mackenzie |
429 | 292 | トランスバール(2004年2月) | Gregory Williamson |
425 | 287 | ジンバブエ(1999年) | Gary Woodall |
421 | 287 | ナミビア(1985年) | Albert Agnese |
419 | 289 | 南アフリカ(2004年) | J. V. Lattimore |
412 | 260 | ザンビア(2004年) | Mike Nice |
体重(kg) | 全長(cm) | 場 所 | ハンター |
---|---|---|---|
284 | 385(毛皮?) | ボツワナ | − |
− | 335 | アンゴラ(1973) | G. Gladney |
− | 333(尾は99) | スーダン | J. K. Roberts 頭骨長375o |
− | 333 | ケニヤ | M. J. Timmins |
− | 328 | ウガンダ | G. Prud'homme 肩高112cm、頭骨長419o |
− | 324 | タンザニア | J. Reid 肩高104cm |
− | 320 | トランスバール | C. V. Merriman |
280 | − | トランスバール(2000) | George Tsaparis |
277 | − | スワジランド(1919) | − |
272 | − | ナミビア(1964) | エトシャ国立公園の狩猟監視員が射殺した老齢の雄 |
− | 318 | ソマリア | A. M. Toulmin |
− | 318 | ローデシア | H. J. Pratt |
− | 318 | モザンビーク | F. Vaughan Kirby 肩高109cm、頭骨長419o |
− | 315(尾は86) | インド | Lord Lamington |
− | 310(尾は89) | ブルー・ナイル | C. C. Mauel 肩高107cm |
264 | 287 | オレンジ自由州(1865) | − | − | 305(尾は77) | ソマリア | R. Coudenhove_Kalergi |
234 | 301(尾は98) | ケニヤ | J. Montgomerie 肩高107cm、頭骨長394o |
224 | 361(毛皮?) | ボツワナ | − | − | 302(尾は83) | ボツワナ | Reay H.N. Smithers(1971)による | − | 287(尾は89) | インド | L. L. Fenton |