インドニシキヘビ Indian Rock Python

 東南アジアのもう1種の大蛇、インドニシキヘビも動物園でよく見かける種類で、アミメニシキヘビよりも太目である。インド産は斑紋が赤褐色でビルマから中国南部にかけてのものは黒っぽい。日本の動物園ではこちら(ビルマニシキヘビ)の方が多く見られる。
 インドニシキヘビは最大でも6mを超えないとされているがこれは少々控えめすぎるかもしれない。
 5.5m級の個体はしばしば見出されているので6mを超えるものもいるだろうといわれていたがまだ確認されていない。
 ところがアメリカはイリノイ州の Serpent Safari Park に飼われている雌のビルマニシキヘビ Baby は1998年11月(21歳)の計測で長さ8.2m、体重183kgもあった(Guiness World Record)。これは飼育下の大蛇としてはペンシルバニアのハイランドパーク動物園にいたアミメニシキヘビ Colossus(145kg)を凌いで飼育下では世界最大だが胴回り71cmというのが少々解せない(Colossus は95cm)。
 このニシキヘビは2週間毎に4、5羽のニワトリを食べているそうだ。

 2008年9月29日、愛媛県新居浜市の空き家の軒下で、金色の大蛇がはっているのを隣家の男性が発見。通報で駆けつけた警官が4人がかりで捕獲した。新居浜署は遺失物として保管し所有者を探している。ヘビは長さ2.3m、体重7.2kg。金色のまだら模様でおとなしいという。アルビノでペットとして飼われていたと見られる(iza)


スネークハンター?
全長(m)場  所備  考
5.5ベンガル(1906)ヒョウ(体長1.3m)を呑みこんでいた。
5.6United Provinces(1906)
5.7Mussoorie(1866)
5.8スリランカ(1885)生け捕りにされ、コロンボで展示された。
5.8アッサム(1875)体重91kg。
約6ウッタル・プラデシトラに殺されていた。スミソニアンの一行が発見。
6.1東パキスタン(1960)8歳の少年を襲って呑みこんだ。

 インドニシキヘビはマレー半島やスマトラからは見つかっていない。しかしジャワやセレベスからは知られている。そのためこれらの島で発見された個体は自然分布ではない、つまり移入されたのではと考えられている。
 またビルマから中国南部、インドシナに於いてはアミメニシキヘビと分布が重なっている。両者は生息環境も似通っているのに競合もなく共存しているのはかなりユニークなことである(Minton,1973)。


 2005年9月9日朝、埼玉県上尾市の鴨川の土手でインドニシキヘビが見つかり、通報で駆けつけた警官5人が2時間がかりで捕獲するという事件があった。約4mの黄色い個体(アルビノ)で誰かが飼育していたものが逃げ出したか、捨てたものらしい。ヘビは群馬県太田市のジャパンスネークセンターに移された(朝日新聞)。

おとなしいと言ってもそこはニシキヘビである、体の割に大きな獲物を丸呑みにするから油断はならない。ネパールでわずか2.4mのインドニシキヘビが子ジカを呑みこんでいたことがあり、まだ2本の蹄が口からはみ出していた。まるでツチノコのように腹が膨らんでいた。呑み込みが終わるまでに1時間半ほどかかった(Arjan Singh, 1973)。


 最近(1979年以来)ニシキヘビの侵入に悩まされているフロリダ・エバーグレイズ国立公園で2011年11月、、シカ(約34kg)を丸呑みにしていたニシキヘビが発見された。これはフロリダで野生化しているインドニシキヘビ(亜種ビルマニシキヘビ)で長さ4.7m、体重はシカを呑み込んだ状態で63kgだった(CNN)。このニシキヘビは自分より大きな獲物を呑み込んでいたということでもきわめて稀有な例といえる。
※ たか@渓道楽さんから知らせていただきました。


 2012年8月、フロリダで、これまでで最も多い87個の卵を持ったビルマニシキヘビが見つかった。エバーグレイズ国立公園からフロリダ大学自然史博物館に持ち込まれたそのニシキヘビは、長さ5.3m、体重75kgありエバーグレイズ公園内で見つかったニシキヘビとしては最大の個体でもある(CNN)。
※ たか@渓道楽さんから知らせていただきました

5.3m

5.6m 2013年5月、フロリダのマイアミで地元の大学生が、長さ5.6mのニシキヘビを農村地域の雑木林で発見、友人の助けを借りて大蛇と格闘し、ナイフで殺した。
 フロリダ州の野生保護当局によると、このビルマニシキヘビはこれまでで最長という(MSN)。

 フロリダのエバーグレイズ国立公園などで繁殖するビルマニシキヘビの退治作戦として、同州の野生生物保護当局が2013年1月12日からヘビ狩りコンテストを開催している。
 2月10日までの期間中にもっとも多くのヘビを殺した人には1500ドルの、最も長いヘビを退治した人には1000ドルの賞金が支払われる(CNN)。
 日本でも外来魚の駆除などはおこなわれているが、正直、そこまでやるかと複雑な気分にさせられるのは私だけだろうか。
※ ac7059さんから知らせていただきました。

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