オオツノジカMegaloceros giganteus

肩の高さ:2m時代:新生代洪積世後期(35〜1万年前)

 左右のさしわたしが2.5m以上、最大のものでは4mもある巨大な角を持った大きなシカが、ヨーロッパにすんでいた。よくアイルランドエルクと呼ばれるのはアイルランドから多くの化石が見つかっているからだが、エルク(ヘラジカ)に近縁という訳ではない。体も現在のヘラジカと同じくらいあるが、角は2倍も大きかった(ヘラジカの角の幅は最大で2m)。この大きな角が他のシカと同じく毎年生え変わっていたのだから驚く。これほど大きな角を持っていると森林で暮らすことはできなかったと思われ、草原やツンドラ地帯にすんでいたようだ。 ↓ ヤベオオツノジカ
Sinomegaceroides yabei

 オオツノジカの仲間はアジアにも現れていて、日本では10万〜1万5000年前の地層から発見されている。復元された組み立て骨格が秋吉台科学博物館や岐阜県立博物館などに展示されており、肩の高さが1.8mもあるかなり大きなものだ。ただし角はヨーロッパのものほど大きくはなく左右の開きが92cmである。

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