全 長:27m
中生代ジュラ紀中期
(1億6000万年前)
中国雲南省

 2000年に中国雲南省禄豊県川街郷で発見された、アジア最大の巨大竜脚類。発見地の川街(チュアンジェ)から命名された。
 約1億6000万年前のジュラ紀中期の地層から発見されており、巨大な竜脚類としては世界最古とされる。
 以前に中国で発見されたマメンチサウルスや、アメリカで発見されたディプロドクスセイスモサウルスはやや新しく、1億4000万年から5000万年前の地層から発見されているのに対し、チュアンジェサウルスはそれよりもさらに1000〜2000万年も古い地層から発見された。
 川街では少なくとも7体分の化石が見つかり、うち1体はほぼ完全な形で、肩胛骨が約2mあり全長は27mと推定されている。
 首が全長の半分以上あることから、現代のキリンのように、高い木の枝葉をしごいて食べていたと思われる。



 巨大動物が新たに発見されると、よく○○で最大と謳われるのはやむを得ないところもある。1987年にマメンチサウルスの大型種 Mamenchisaurus sinocanadorum が見つかったおりにもアジアで最大の恐竜といわれたものだ。チュアンジェサウルスがこれより大きいかどうかかなり微妙だ。
 またヌオエロサウルスが1992年の恐竜博に登場した時にはこれこそ(フィールド博物館やフンボルト博物館のブラキオサウルスを抜いて)世界最大の恐竜骨格といわれたものだった。もう忘れられてしまったのだろうか? そうでもなさそうだが

Nuoerosaurus chaganensis

 ヌオエロサウルスは 1985年中国内蒙古自治区のチャガンノールで発見された。92年に日本でも公開され、これまたアジアで最大の竜脚類といわれた。 中国以外ではほとんど知られておらず、また頭骨はかなり風化しており、後頭部と数本の歯のみだったが、そのスプーン状の歯の形などからカマラサウルスに似た頭だと考えられ、全身の復元もカマラサウルスを参考に推測されている。
 白亜紀前期、1億2000万年ほど前と大型竜脚類としてはかなり新しいものだ。 全長26m、高さは頭の位置にもよるが10〜12m。おそらくマメンチサウルスやチュアンジェサウルスよりも重く、こちらの方がアジア最大の竜脚類にふさわしいと思えるが、何処へ行ってしまったのだろうか?
 日本では茨城県自然史博物館群馬県立自然史博物館でレプリカの骨格を見ることができる。
※ ヌオエロサウルスの名がヌーロサウルス Nurosaurus qaganensis に変わったらしいことをわたぴーさんから知らせていただきました。

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