ビッグ・ゲーム・ハンティングでは、体の大きさよりも牙や角がトロフィとして注目される。肉食獣の場合は頭骨である。これはもちろん証拠として残るからだ。なかでもアフリカゾウの牙は動物の持つ武器としても最大のものであり、トロフィとしての価値は大きい。そして象牙の場合、長さよりも重さの方が重視される。 |
最も長い牙 ニューヨーク動物園協会に展示されている一対の牙は、 それぞれ349cmと335cmあり、重さは両方で133kg。 これらの牙はザイール産で、もともとエチオピアの国王が所有していたものだが、その後幾人かの手を経て1907年に同協会の展示室に落ち着いた。 最も重い牙 1897年にケニヤのキリマンジャロ山麓であるアラブ人が撃ちとめたゾウのもの。 それぞれ318cm(97kg)、311cm(103kg)ある。このペアも紆余曲折を経て、まず重いほうが1901年に、続いてもう1本が1933年に、ロンドンの大英博物館にもたらされている。 |
重さ(kg) | 長さ(cm) | 原産地 | 所 在 |
---|---|---|---|
90+79 | 274+272 | アルバート湖(1905) | Powell_Cotton 博物館(イギリス) |
161 | − | ナイジェリア(1921) | − |
149 | − | ウガンダ(1944) | − |
134 | 297+285 | ケニヤ(1974) | Ahmed と呼ばれていたゾウ |
115 | 328+325 | ケニヤ(1970) | − |
64+50 | 328(長い方) | ケニヤ(1960) | Mohammed と呼ばれていたゾウ |
111 | 339+305 | ケニヤ(1959) | − |
おおまかに言って、東アフリカのゾウは南アフリカのゾウよりも体は小さめだが牙はより大きい。ケニヤでは1950年頃より特に大きい牙を持つゾウは大統領令によって保護されている。上に挙げた Mohammed と呼ばれていたゾウは1960年に老衰で死んだ。 |
'70年代から '80年代にかけて、南アフリカのクルーガー国立公園には非常に大きな牙を持つゾウが何頭か見られた。アフリカ南部のゾウは東アフリカのゾウにくらべ、体は大きいが牙は小さいといわれていただけにこれらのゾウは特に有名になった。 |
重さ(kg) | 長さ(cm) | 名 前 | 備 考 |
---|---|---|---|
60+55 | 267+251 | Joao | 牙の周囲は根本近くで56cm |
47+58 | − | Shingwedzi | 1981年に死亡 |
63+64 | 259+264 | Kambaku | 牙の周囲は51cmと52cm |
64+57 | 287+274 | Ndlulamithi | 1985年に死亡。肩高345cm(推定) |
− | 317+305 | Shawu | 肩高340cm。牙はあまり重くなかったという |
インドゾウの牙にも相当に大きいものがある。バンコクの国立ロイヤル博物館には、かつて王宮に飼われていたゾウの牙が展示されており、長さはそれぞれ300cmと274cmあるが重さは不明である。 また、インド北部のテライで殺されたゾウの牙が現在大英博物館に保存されており、長さが267cmと260cmで重さは73kgと72.5kgである。しかしこれらは例外的な大物で、大英博物館にあるもう一つのペア(マドラスで射殺された)は、大きい方でも203cm、35kgにすぎない。 |
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