カエルのなかま(両生類無尾目)は世界の熱帯から温帯にかけての地域に約1800種が生息している。その中で最大はカメルーン南部から赤道ギニアにかけてすむゴライアスガエルだ。
 ある15体の測定では体長17−32cm、体重600−3250gだった(elib.cs.berkeley.edu)。

 今までで最大の記録は1989年4月に、カメルーンの Sanaga 川で捕まえられたもので体長36.8cm、後脚を含めると全長87.6cm、体重3660gもあった(ギネスブック、1999)。

体重(g) 体長(cm) 採集地(年) 備   考
3305 34.0 リオムニ(1960) 全長81.5cm
3100 35.6 リオムニ(1966) ワシントンの National Geographic Society に標本がある。

 ゴライアスガエルは珍しいカエルだが現地では食用に捕獲している。飼育は難しいようだが最近は日本でも見られるところがある。サンシャイン60ビルにあるサンシャイン国際水族館では1997年11月より飼育している。また天王寺動物園にもいるそうだ。


※ 上の写真は吉田さんから送っていただきましたゴライアスガエルです。
  全長70cm以上、体重は3kgを超えているそうです。

 ウシガエル Bull Frog はアメリカ合衆国東部・南部が原産だが、食用として世界各地に移入されている。
 日本では大正8(1919)年に渡瀬博士が輸入したのが最初とされるが、その後急速に全国に広まり野生化している(競合する種類がいなかったためといわれる)。最大のものは体長20cm、後脚の長さ25cm、体重570gに達する。

 ところがその倍(体重では6倍近く)も大きいものが1949年、ワシントンの Martha Lake で捕獲されている。全長91cmもあってゴライアスガエルをしのぎ、体重も3289gあった(Carwardine,1995)。

 野生のアフリカウシガエルが、南アフリカのプレトリア動物園に侵入し、16匹のコブラ Ringhal Cobra(リンカルス)を食べてしまったことがある。係員が見つけた時、カエルはまさに17番目のコブラを呑み込もうとしている最中だった(Carwardine,1995)。
 リンカルスはもちろん新生児、もしくはそれくらいの幼蛇だっただろう。リンカルスは卵胎生で一度に20〜30匹の子を産む。
アフリカウシガエル
 アフリカ東南部産。体長20cmに達する。雄が子守をすることで知られる。

 南米のオオヒキガエルは、食い意地にかけては天下一品だとO,ブレランド(1963)は語る。実験用に捕らえた数匹のオオヒキガエルを、収容場所がなかったため大学ではとりあえず、アリゲーターの子二匹が入った檻へ放しておいた。アリゲーターはどちらも11インチ(28cm)ほどだった。
 それから数日間は何事もなかったが、1週間ほどしてヒキガエルを別の場所に移そうとしたところ、1匹のアリゲーターがいなくなっていた。当然カエルが怪しいということになり、すべてのカエルをX線に書けたところ、1匹のヒキガエルの胃袋にアリゲーターが丸くなって収まっていた(動物の謎)。

 オオヒキガエル Marine Toad は中央アメリカから南アメリカ北部に分布する他、農作物の害虫駆除の目的で世界各地に移入されており、日本でも戦後、米軍によって小笠原や大東島、石垣島に持ち込まれたものが帰化している。体長10〜18cm。
 1991年3月、スウェーデンの Forsberg が飼っている雄は全長54cm、体重2650gもあった。またアイオワ州の Blank Park Zoo で飼われていた雌は、1987年に体長24cm、体重2310gに達した。
 1965年11月、コロンビアで捕まえられた雌も体長は24cmあったが、体重は1302gしかなかった。ただし死んでからの計量であるから元気な時はもっと重かっただろう。このカエルはニューヨーク動物園で飼われていて、現在はニューヨーク自然史博物館に標本が展示されている。

 ブロンベエルグヒキガエル Blomberg's Toad は1950年9月にコロンビアで発見された茶色の滑らかな皮膚を持つヒキガエル。オオヒキガエルと同じくらい大きいがややスリムである。
 タイプスペシメン(基準標本)となった個体は体長20.7cm、体重はちょうど1kg。ドイツの Ruhr 動物園で飼われていた雌は体長25cm、体重1125gに達した。

 ヒキガエルのなかまも世界の温帯・熱帯地域に多数生息しており、日本では本州・四国・九州の平地から山地までニホンヒキガエルが棲み、また中部・近畿の山地の渓流には別種のナガレヒキガエルがいる。どちらも体長10cm前後だが、最大18cmに達する。


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