2013年4月4日、兵庫県太子町でイノシシが暴れ、女子中学生を含む13〜75歳の男女8人が相次いで襲われ重軽傷を負う事件が起こった。イノシシは自宅の庭にいた女性に噛み付くなどした後、町道を約1.7km走りながら通行中の高齢者らに次々と突進。その後、車に轢かれたとみられ、近くの路上で死んでいるのが見つかった。全長約1.5m、体重80〜100kgの雄だった(毎日JP)。

 2015年1月、伊豆市の船原峠付近の山中で体長約1.5m、体重は170kgもある大きなイノシシが捕獲された。山中に設置したくくりわなに掛かっていた。
 雄で、あまりの重さに狩猟仲間の助けも借りて山から運び下ろした。10年に1度見つかるかどうかという大物。「今年は山に食べ物が多く、イノシシも大きくなっていると思っていたが驚いた」そうだ(静岡新聞)。

 2003年3月2日、午前8時15分頃から約40分間にわたり、沼津市松長から原の千本松原内の遊歩道周辺で、イノシシが次々と住民を襲った。計4カ所で被害があり、女性(49)が左足を骨折、彼女の飼犬 (ゴールデンレトリバー)もイノシシに立ち向かってけがをした。男性(56)が両足をかまれて重傷のほか、男女4人が軽傷を負iい病院などで手当てを受けた。

 警察や消防、猟友会などは総勢120人でイノシシを追い、午後5時頃、同市松長の第一現場から西へ約10kmの富士市今井の松林内でイノシシを発見、射殺した。イノシシは雄で体長130cm、体重(推定)120kg。年齢は5-6歳とみられる。
 現場は海岸の堤防沿いの防風林で「千本松原」と呼ばれる市民憩いの場。以前から付近 でイノシシが目撃され、沼津市は捕獲のため箱型の檻を設置していた。市の消防署員はこれだけ連続してけが人が出たイノシシ被害は初めてと話している。(静岡新聞)

 1965年1月10日、奈良県北葛城郡新庄町西辻に1頭のイノシシが現れ、畑で働いていた男性一人に重傷を負わせた。これを手始めに通行人らを次々に牙にかけた。新庄町で3ヶ所、大和高田市、橿原市で5ヶ所など被害者は15、6人に及んだ。近代日本では最悪のイノシシ事件かもしれない。
 体長135cm、体重110kgの雄でニホンイノシシとしては特に大きい方ではなかった。(実吉達郎、1974)

 神奈川県箱根町で2000年12月13日、クラブ活動を終えて散歩中の女子中学生4人をイノシシが攻撃し、一人が1週間以上の入院が必要な大けがを負った。イノシシは5、6歳の雄で、出動した猟友会によって14日午後3時頃、現場から約2km先の藪で射殺された。体重約120kgの大きなイノシシだった。
 神奈川県警小田原署の調べでは、13日午後4時40分頃、箱根町仙石原のテニスコート脇の小道で、町立中学2年生の女子生徒4人が、クラブ活動を終え近くの川に向かって歩いていたところ、突然、藪からイノシシが突進してきた。イノシシは先頭の生徒に体当たり。この生徒が倒れると、腰や脚、背中などを牙で4、5回刺した後、藪の中に姿を消したという。他の3人には怪我はなかった。
 当時、付近で数頭のイヌの吼え声がしており、野犬か、約1km離れた狩猟区から猟犬に追われていて、イノシシが興奮していた可能性があるという。(岩手日報)

 イノシシ(ユーラシアイノシシ Wild Boar)はヨーロッパ、アジアの中南部に広く分布し、ニホンイノシシはその亜種で本州、四国、九州、淡路島に生息する。
 体長110−150cm、肩高60−90cm、頭骨全長33cm内外。大きいものは体重100kgを超える。
 牙は普通10cm以下だが最大のものは15cmほどあり、常に上下の牙を咬みあわせて研ぎ澄まされているので、まともに体当たりを食らえば重傷を負うこともある。

 2005年10月22日、六甲山麓の神戸市灘区篠原北町で、住民が飼うセントバーナードがイノシシに牙で突き殺される事件が起こった。
 この辺は以前から野生のイノシシが出没し、ゴミを荒らしたり、人がかまれたりする被害が相次いでいる地域。人気者だったイヌの飼い主(32)によると、22日午前0時10分ごろ、セントバーナード(雌、約60kg)を連れて散歩中、大型のイノシシ(体長約1.5m)が近づいてきて突然、体当たりし倒れたところ腹部を牙で突き刺したという。
 このイヌは飼い主の男性が同市中央区で経営する喫茶店の人気者。大きくて存在感があり、人なつっこいことから、客や近所の人にドンちゃんと呼ばれて親しまれていた。飼い主は「13年間かわいがってきたのに、こんなことになるとは…。人が襲われたら取り返しがつかない。一刻も早く対策を取ってもらいたい」と訴える。
 市消防局によると、2004年に5人、今年(2005年)は9月末までに2人がイノシシにかまれたり、逃げる際に転倒したりして救急搬送されており、被害は灘、東灘区に集中しているという。(読売新聞)
※ beetle さんから知らせていただきました。


 神戸ではイノシシがしばしば住宅街に現れる。ニュースでもよく取り上げられている。神戸市東灘区では住民がイノシシに襲われる被害が続発している。2014年の4〜6月でイノシシに人が襲われた事案は少なくとも8件発生している。イノシシは人目をはばからず歩き回り、路上で眠りこける姿も見られる。区役所によると、ペット感覚で餌付けをする人もいるという。
 餌付けによりイノシシは大型化し、また運動不足になりやすい。体を動かして餌を探す必要がないため、筋肉が衰えるものもいる。本来、六甲山系は木の実や植物の根が多い。食べ物が山にないのではなく、楽して食べられるから下りてくる。餌付けは人だけでなく、イノシシにとってもよくない結果を招く。
 兵庫県森林動物研究センター(丹波市青垣町)には、神戸市内で捕獲された雄イノシシ(推定4歳)の剥製がある。体長1.5m、体重160kg。右隣の平均的な個体と比べると親子ほども違う。捕獲場所などから、餌付けをされていたとみられる(神戸新聞)。

体重(kg)体長(cm)場  所
130 160 2014年12月12日、浜松で猟友会のメンバー9人が山林で遭遇して捕獲(静岡新聞)
130 1965年1月3日、小田原市根府川
130 170 2000年1月10日、長野県下高井郡野沢温泉村平林の山中
140 140 2015年3月29日、浜松で猟友会のメンバー7人が捕らえた雌(静岡新聞)
140 1967年12月7日、伊豆・天城山
147 1999年12月5日、八幡浜猟友会伊方支部長の隅田高儀さんら5名が川永田の山中で、猟犬に追われ逃げ出たところを射殺
150 2013年1月、静岡。狩猟暦40年にして、一生に一度見ることができるかどうかという大物だという(静岡新聞)。※ ぶんごジャガーさんから知らせていただきました。
160 140 2005年2月1日、岡山県勝北町(山陽新聞)。※ ワニヲタさんから知らせていただきました。
160 170 2003年12月1日、長野県青木村入奈良本の休耕の畑で、地元猟友会設置の罠にかかり、仕留められた。
175 1968年12月5日、栃木県那須・八講山
182 2002年11月15日、岡山県呰部上合地の山中で罠にかかった。

 本州で最大の野生動物はツキノワグマだが、イノシシもほとんど同じくらい大きいといえる。今泉吉典氏(原色日本哺乳類図鑑, 1960)によるとニホンイノシシの最大のものは190kgとなっているが、2003年暮れも近づいてから記録を塗り替える大物が捕獲された。

 岐阜市大洞桜台、井上一三さん(54)が12月4日、美濃加茂市三和町中廿屋の山中で体重220kgの大きな雄イノシシを罠で捕まえた。
 食肉関係の仕事をしている井上さんは、岐阜市の猟友会理事を務め、狩猟歴は約25年。罠を始めてから10年になる。毎年イノシシを25頭ほど捕まえているが、これまで一番大きかったのは150kgだった。今回のような大きいのは初めてですと驚いている。(中日新聞)
※  taka さんから知らせていただきました。

 滋賀県木之本町川合の高時川河川敷で、11月16日、県猟友会伊香支部の田尻善隆支部長(56)らのグループが、体長約2m、推定体重240kgもある大きなイノシシを捕獲した。搬送の軽トラックからはみ出すほどだったという。
 イノシシの研究で知られる近畿中国四国農業研究センター地域基盤研究部鳥獣害研究室(島根県大田市)の仲谷淳室長は、写真()を見て日本で最大級といってもいいのではと話している。(中日新聞)

 2007年1月、徳島県三頭山で体長1.8m、体重約200kgもあるイノシシが捕獲された。イノシシ狩りをしていたハンターの岡本健策さん(66)が3頭の猟犬と睨み合っているイノシシを見つけたのは25日の午後1時半すぎのことだった。
 仔牛ほどもある大物に、もし外したら手負いになる。反撃でもされたら命が危ないと緊張しながら、約20mまで近づいてから慎重に引き金を引き、心臓への1発でしとめた。
 仲間の応援を得て7人で車まで−400mほど先の林道まで−運んだが9時間もかかったという。

※ taka さんから知らせていただきました。

 野犬の群がイノシシを攻撃しているめずらしい動画があった(Youtube)。野犬がイノシシをしとめられたのか、撃退されてしまったのかは不明だが、かつての日本ではヤマイヌ(ニホンオオカミ)がこんな風にイノシシを襲っていたのだろう。※ Sawada さんから教えていただきました。

 2009年1月12日、滋賀県湖南市夏見の山中で体長1.8m、体重約240kgもあるイノシシが捕獲された)。地元では、イノシシにより畑などが荒らされる被害が続いており、「一帯の主だったのでは。これまでに4度遭遇しており、5度目にやっと仕留めた」そうで、2003年11月にやはり滋賀県でしとめられたものと並ぶ日本最大級のイノシシだ(京都新聞)。
※ RYOJIN さんから知らせていただきました。
 当時の報道では体長1.8mとなっているものがほとんどだったが、NHKでは全長183cmとしている。ニホンイノシシの尾は25−30cmくらいあるので、この大イノシシの体長(頭胴長)は1.5m余りとなる。それで体重240kgもあるのは凄いが、残念ながら写真ではその巨大さはわかりにくい。
 イノシシの生態に詳しい滋賀県立大学環境科学部の野間直彦講 師は「(日本の)イノシシは、200kgくらいが成長の限界とされ、これまで国 内で確認された中でも最大級といえる。畑の作物などを食べて栄 養状態がよかったのではないか」と話す。

 茨城県成沢町の山林で2009年12月2日、体重140kg、体長約2m(後脚まで含めて?)の大イノシシが駆除された。付近の畑ではイノシシによる農作物への食害が深刻で、仕留めた人は「多数生息する水戸市森林公園の主だろう。 これだけ大きければ相当田畑を荒らしてきたはず」と胸をなで下ろしている。
 県猟友会水戸支部に所属し、狩猟歴約40年のベテラン。2日午前6時半頃、狩猟仲間から緊急事態だとの報告を受け、現場に向かうと、巨大イノシシが横たわっていた。イノシシの足跡は何度も見てきたが、実物を見るのは初めて。まず大きさに驚いたという。
 市の有害駆除なども行っており、2年ほど前から狙っていた大物だったといい、 「肉は仲間たちにも分け、家ではチャーシュー、角煮、鍋にして食べたい」と話す(読売新聞)。
※ わたぴーさんから知らせていただきました。

 イノシシの事件といえば、作物を荒らす有害獣のタイトルが付いてしまう。中には住宅街に入り込み、老人の運転する車に轢かれたあげく、射殺されたかわいそうなイノシシもいる。シカ同様、天敵のいない今の日本では数が増えるのは当然のことでもある。オオカミを養うに充分な生息数ではないだろうか。アムールヒョウを日本の山林で増殖させてはとまではいわないが、駆除を呼びかけるばかりではいささか寂しい。

 食糧事情が良くて大きくなったイノシシの事件がお隣の韓国でも報道されている。朝鮮半島のイノシシ(ウスリーイノシシ)は元々ニホンイノシシより大型ではあるが
 2006年8月、韓国の全羅南道莞島郡センイル島(生日島)ではその1年ほど前から、正体不明の野獣にヤギが襲われるという事件が相次いで発生、被害は20頭以上に及んだ。頭だけを残したまま骨までなくなっていて、「骨まで食べているところをみると、普通の野獣ではなく、何かの怪物に違いない」とまでいわれた。センイル島には464世帯916人が暮らしており、48世帯が計900頭程度のヤギを育てている。
 その年の10月12日、夜になると放牧中のヤギを襲い住民を恐怖に震いあがらせていた怪物が射殺された。住民からの通報を受けてライフルを持った二人の専門家が駆けつけてみると推測通り、それはイノシシだった。サーチライトを照らすと大きなイノシシがヤギを食べていた。その場で射殺された。体重280kgもあったという(Chosun Online)。

Hunting Washington

2009年にテキサスで射殺されたという体重800kgを超す巨大イノシシ ?。ニュースはきわめて曖昧でミズーリだとも、フロリダだともいう。しかしこれらの写真は実はアメリカで撮影されたものではなかったらしい。
 フランスの狩猟マガジン、Courier によるとこのイノシシは2005年6月にトルコで射殺されている。体重354kgだったとのことだが、これでも野生のイノシシとしては最大級だ (UrbanLegends)。


 ロシア西部のウラルで、チェリャビンスクの住人、Peter Maximov が、2015年11月13日(金)にハンティングに出かけ、肩高1.7m、体重535kgもあるイノシシを撃ちとめたという。その怪物はあまりに大きくて車に乗せることができず、ケーブルで死体を車とつないで運んだそうだ(Bashny.Net)。
 真偽のほどはともかく新生代第3紀のアルカエオテリウムほどもあるこの巨大イノシシ、インターネット上にけっこう広まっているようです。

 世界最大のイノシシはアフリカ中央部の森林に棲むモリイノシシ Giant Forest Hog だといわれている。

 この黒毛の動物は1904年、Meinerzhagen 大佐がコンゴ川流域のナンディ森林で発見した。体長2.1m、肩高1.2mに達すると書かれた1行を見たのはそう昔のことではないが。
 同氏はアフリカで数々の動物を撃ち、正確な記録を残している人で多くの動物学者がその数字を引用している。
 Kalman Kittenberger は早くも1925年にその著書(1989, 復刻版)の中で Giant は正しい表現ではない、ヨーロッパのイノシシと同じくらいでしかないと言い放っている。彼自身も1914年にこのイノシシを撃ち止め、解体して9人がかりで運ばなければならなかったにもかかわらず。
 また20世紀に入ってからの新発見であるこのイノシシは、今ではナショナルパークによっては観光客も目にすることができる。

モリイノシシはイボイノシシによく似た風貌をしている。目の下から頬にかけて大きなこぶがあるためだ。正面から見ると異様な印象だという。また雌ではこのこぶはあまり目立たない(小倉、1994)。リベリアからケニヤにかけて分布し、体長150〜190cm、肩高80〜110cm、体重は最大277kgに達する。牙はイボイノシシほど長くはないがそれでも36cmの記録がある(ケニヤ・アバーデア山、1959年)。


 ユーラシアイノシシは分布が広く、地域によって大きさにかなりの差がある。中国東北部やウスリーのイノシシは肩高1.1m、体重320kgに達するものがある。一方、沖縄のリュウキュウイノシシは40−80kgしかない。ヨーロッパでも地中海沿岸地域のものは体長1.1〜1.3m、体重60〜130kgくらいだが、カルパチア山脈のものだと体長1.8m、頭骨の長さ45cm、体重270kgにまでなる。Kittenberger のいうモリイノシシと同じくらい大きいヨーロッパイノシシはこれを指しているのだろう。

メトリディオコエルス
Metridiochoerus andrewsi

 更新世、今から100−300万年ほど前の東アフリカには今のイボイノシシに似た非常に大型のイノシシが生存していた。
 中でも Metridiochoerus andrewsi は頭骨の長さが57cm、体長は2−2.5mとウシほどもある巨大なイノシシだった。
 現在のイボイノシシのように、外側上方にカーブした大きな牙を持っていた。

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