セイスモサウルスSeismosaurus hallorum
全長:35m中生代ジュラ紀後期(14000万年前)

 長い間(ほとんど100年にわたって)最大(最長)の恐竜骨格はカーネギーホールのディプロドクス(27m)だったが、20世紀も最後になってその地位が取って代わられた。セイスモサウルスが発見されたのは、実はコロラドでウルトラサウルスが見つかった1979年のことだった。ニューメキシコである化石の写真が撮影されたのが最初だった。その写真が古生物学者の目に触れたのはその6年後のこと。4個の尾の骨が取り出され、ニューメキシコ自然史博物館に運び込まれたのだった。

 それから10年をかけ、多数の背骨や肋骨、幾つか連続した尾の骨など全体の30%に相当する骨が発掘されていたが、一般に公開されていたのは先の尾の骨だけだった。突然、ワイオミングの民間企業 Dinosauria International が費用35万ドルを負担してセイスモサウルスの骨格(41m) を作り上げて発表した。そして2000年の中ごろにはスミソニアン博物館に登場しているはずだった…
 ところが金子隆一氏(2002)によると、この模型はニューメキシコのチームとは無関係に作られたもので先取権も、研究内容も無視した越権行為だという。その後、両者の間で話し合いが行われ、この模型はセイスモサウルスとは無関係の創作物として扱うということで決着したようだ。(この模型は世界最大の恐竜骨格としてギネスブック2003に掲載されてしまったが)
 セイスモサウルスもはじめは、これこそ史上最大の陸棲動物であるといわれた。セイスモサウルスの肩甲骨は2.4mでスーパーサウルス(最初の標本)と同じ位であり、ディプロドクス(1.6m)よりはるかに大きい。しかしながらディプロドクスと同じように尾が長く、胴体は小さい。したがって最長ではあっても最大とはいえない。体重は40t前後であろうといわれている。
 恐竜博2002に組立骨格が登場して話題をさらったが、使われているのは全身の骨の30%程であり、残りの部分はディプロドクスを参考に作られている。今後の発掘でまた変わる可能性はかなり大きい。



恐竜博2002

 2004年11月、気になるニュースが発表された。従来最高で52mとさえ言われていた見積もりがだいぶ小さくなるのだ。アルバカーキにある New Mexico Museum of Natural History and Science の Spencer Lucas によれば33.5mにまでダウンするという。もっとも恐竜博2002(左)に展示された骨格は35mだったのだから今更という感じがしないでもない。
 それよりも気になるのは今までよりもさらにディプロドクス寄りとなり、ディプロドクス属の1種として再記載されるかもということだ。これはセイスモサウルスの名が失われてしまうことを意味する。

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